「あぁ、俺ちょっと名前書いてきます…はぁ」 そいつの背中は妙に落ち込んでる。 「………おい」 「はい?」 「名前は」 紙を見ると、西東 健斗(サイトウ ケント)の名前。 俺は頭の後ろに手を持っていった。 「沙良のこと、本当に好きなら自分でどうにかしろ」 西東は目を見開いた。 「え……」 「人にメアド聞いたり、彼氏がいるだけで諦めるような男と張り合う筋はねぇよ」 言い残して俺は教室を出る。