「そんな冗談、ないっすよね!?」 突然俺に飛び付くようにして揺さぶってくる。 「冗談じゃねえっつってんだろ、離せ」 「それで俺に告白させようとしましたよね!?あんた鬼か!」 その発言には笑うしかない。 「もう信じられないんですけど…」 「どう頑張っても―――」 そいつは俺の声を遮るようにして、自分の両頬を叩いた。 「…奪う権利はありますか?」 「ねぇ。つーか奪わせねえよ」