結局、仲直りできたのかな。これって…


「…あの、さ」


「ん?」


目線が泳ぐ。



「んだよ」


「わたし、不器用で色々と上手くいかなくて…
うん、だか、多分晴紀のこと

てか絶対一緒にいて楽しませたりとか

何かしてあげたりとかできなくて


………それでも、大丈夫ですかね」





暫く沈黙が続く。



「楽しませてやる。笑わせてやる。泣かせてやる。怒らせてやる。

…で、今は笑わせたい。


だから笑えバカ」



晴紀の手がわたしの髪をグシャグシャにした。


「ばっバカ!?ってか…あーもー晴紀の方がバカでしょ」


「そーそー、それが沙良だな」



相変わらず俺様…



「晴紀!ストップ、わたしの部屋こっち」



「俺の部屋はこっちだから問題ねぇじゃん」



「やだ、わたしは真帆先輩と寝るの!」



チッと舌打ちが耳にはいる。


「お前なんか誰が部屋に入れるかよ、おやすみ」



晴紀は手をふらふらさせて 部屋に戻っていった。


「…疲れる奴」



その独り言は聞こえなかったことにしよう。