「じゃあ今の無しな。俺ももう近づかねぇよ」


「なっちょっと待って!いや、あの…晴紀」


必死になって立ち上がろうとした晴紀を止める。


「離せよ、うぜーなこれ以上 近付くな」


「好き」


自然と下を向く。


「行かないで」


晴紀の動きが止まった。


「沙良?」


「行かない…っで」


お父さんみたいに、離れないで。


「どした?」


晴紀が顔を覗き込まないように向こうを向く。


ポロポロと、涙が溢れ落ちる。



「…沙良…」


やめよう、こういうの。


「ごめん、晴紀…」


振り向くと晴紀は笑ってた。


「戻ろ。」


「…うん」