「でもそんな女なんてだあれも興味ないんだよね。
寂しそうに一人でわんわん泣いてたって『大丈夫?』なんて声かけてくれる王子様はめったにいない」
『沙良!』
お父さんと急に離れたとき、わんわん一人で泣いてるとき、
ストーカーされてるとき、ひとりで閉じ籠ってたとき、
「あ」
「…どうかした?」
「いや、なんでもないです。それで?」
少しだけ笑みを浮かべる真帆先輩。
「かわいくなって、痩せて、頑張って、それでもダメだったよー」
なんて簡単に言っていく。
「…………」
にんじんを睨み付けるような状態になってしまった。
「で、まだ立ち直ってない」
「!?」
驚いて真帆先輩の方を見る。
「でもやだ。諦めたくない」
「………全然そんな風になんて見えない…」
「そりゃあ後輩に察せられるほど下手くそじゃないよ」
眉毛を八の字にして言う。

