乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】



「綺麗だから見とれてた」


こんな事言われるなんて思ってもみなかったから驚いた。


「おい、挙動不審になんなよ」


そう言って笑いを堪えている。

いつもいつも…あたしは陸さんに踊らされてばかりだ。


悔しい…あたしだって陸さんを驚かせたいのに。


その後は誓いの言葉や指輪の交換を行った。

そしていよいよ誓いのキス。


余裕の顔であたしのベールをめくる陸さん。


よぉーし…


恥ずかしいけど…やるしかない!


陸さんが屈んだ瞬間に、あたしは陸さんの首に両腕を回し、勢いよくキスをした。

リハーサルでは陸さんがあたしの頬に軽くキスをすることになってたんだけど。


案の定陸さんは驚いていた。


「な…何やってんだよっ」


目を丸くさせている。こんな顔はめったに見られない。