両側には乱華のみんな、亮さんに広樹さん、舞香に辺見君、康大、栞、そして陸さんのお母さんもいて、みんな笑顔で迎えてくれている。
栞なんてもう大泣きしている。
目の前には愛しい人が立っていた。
白いタキシードがとても似合う。
笑顔であたしの前に手を差し伸べてくれた。
「陸君、奈緒を…よろしくね」
「はい」
陸さんはそう力強く言うと、あたしの手を引いた。
いつにも増して格好良くて、ドキドキが止まらない。
すると陸さんが耳元で
「バーカ、俺に見とれてんなよ」
なんて言ってきた。
「見とれてないっ」
「へぇ?」
余裕の笑みを浮かべている陸さんは、こんな時も緊張なんてしていないようだ。
「俺は見とれてたけど」
「え?」



