乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】


両側には乱華のみんな、亮さんに広樹さん、舞香に辺見君、康大、栞、そして陸さんのお母さんもいて、みんな笑顔で迎えてくれている。


栞なんてもう大泣きしている。


目の前には愛しい人が立っていた。


白いタキシードがとても似合う。


笑顔であたしの前に手を差し伸べてくれた。


「陸君、奈緒を…よろしくね」


「はい」


陸さんはそう力強く言うと、あたしの手を引いた。


いつにも増して格好良くて、ドキドキが止まらない。

すると陸さんが耳元で


「バーカ、俺に見とれてんなよ」


なんて言ってきた。


「見とれてないっ」


「へぇ?」


余裕の笑みを浮かべている陸さんは、こんな時も緊張なんてしていないようだ。


「俺は見とれてたけど」


「え?」