小さなダイヤが光っていた。
「ゆ…びわ?」
「でかいダイヤじゃなくてわりーけど…」
照れてるのか、注がれた水を一気に飲み干している。
「もらって…いいの?」
「当たり前だろ」
指にはめると、サイズがぴったりだった。
涙が溢れてきて、視界が歪む。
「奈緒が卒業したら言うって決めてた」
「え…」
「俺と結婚して?」
顔を上げると、いつになく真剣な表情をした陸さんがいた。
「あたしで…いいの?」
「奈緒じゃなきゃ無理だから」
「あたしどんくさいし…料理もあんまできないし…陸さんを困らせてばっかだよ…?」
「そんなのとっくに知ってっから」
陸さんの笑顔も涙でよく見えない。
「…ありがとう…大切にするね」



