乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】



小さなダイヤが光っていた。


「ゆ…びわ?」


「でかいダイヤじゃなくてわりーけど…」


照れてるのか、注がれた水を一気に飲み干している。


「もらって…いいの?」


「当たり前だろ」


指にはめると、サイズがぴったりだった。

涙が溢れてきて、視界が歪む。



「奈緒が卒業したら言うって決めてた」


「え…」


「俺と結婚して?」


顔を上げると、いつになく真剣な表情をした陸さんがいた。


「あたしで…いいの?」


「奈緒じゃなきゃ無理だから」


「あたしどんくさいし…料理もあんまできないし…陸さんを困らせてばっかだよ…?」


「そんなのとっくに知ってっから」


陸さんの笑顔も涙でよく見えない。


「…ありがとう…大切にするね」