乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】


笑いながらさっきの事務所に入っていく陸さん。


「着替えてくるから待ってて」



そう言って、5分後には私服で出てきた。



「なんで私服??いつも鳶の格好で帰ってくるのに」


「ちょっとさ、行くとこあんだよね」


あたしの手を掴み、親方さんに挨拶すると行き先も言わずに歩き出した。


「…今日バイクで来てないの?」


「ん。奈緒が来るって行ってたし、その店に行くまでちょっと時間もあっから」


「どこに行くの…?」


「お楽しみにっ」


不敵な笑みを浮かべて、そのまま街まで連れていかれた。


すごーく気になってしょうがない。

でもこういうときの陸さんは、どうやっても教えてくれないんだよね。


しばらく無言で歩き、着いた場所は――――