笑いながらさっきの事務所に入っていく陸さん。
「着替えてくるから待ってて」
そう言って、5分後には私服で出てきた。
「なんで私服??いつも鳶の格好で帰ってくるのに」
「ちょっとさ、行くとこあんだよね」
あたしの手を掴み、親方さんに挨拶すると行き先も言わずに歩き出した。
「…今日バイクで来てないの?」
「ん。奈緒が来るって行ってたし、その店に行くまでちょっと時間もあっから」
「どこに行くの…?」
「お楽しみにっ」
不敵な笑みを浮かべて、そのまま街まで連れていかれた。
すごーく気になってしょうがない。
でもこういうときの陸さんは、どうやっても教えてくれないんだよね。
しばらく無言で歩き、着いた場所は――――



