せっかく職場まで来たんだから、陸さんの働きっぷり見たいよね。
親方さんが上を見上げて陸さんの名を呼んでいる。
その視線の先には、陸さんがいた。
二階の、ちょっとの幅しか足場がない所に立っている。
あたしは驚いて声が出なかった。
あんな所でいつも作業してるの!?
しかし陸さんも周りの人達も、全然平気そうな顔でさくさく歩いている。
あたしはそわそわしながら見ていた。
親方さんに声を掛けられ、陸さんが降りてくると、ようやくあたしの存在に気づいた。
「お、お疲れさま…」
まだ心臓がどきどきしている。
こんな仕事だったなんて…おちおち見てられないよ…
「お疲れ。今江に会った?」
「あ、うん!いると思わなかったからびっくりしちゃった」
「ハハッそうだと思って言わなかった」



