一瞬、俺の方を錦が見たようなーーーそんな気がしたーーー



『さぁ、この残飯はどーしようかね?
捨てるのは惜しいし、ここに置いておこうかね…、そしたらそのうち、猫か犬でも食ってくれるだろう』



そう言って、握り飯を玄関先にそっと置いたーーー

何度も聞いた事のある、その台詞は、、、




完全にーーー俺に気づいててーーー



でも、気づかないフリをしてくれてたーーー



錦が去った後で…、俺はその握り飯を必死で食うーーー



咄嗟に握ったであろう、ただの塩むすびが、うまくて、うまくて、、、どうしようもない気持ちで、、、



泣きながら食ったのを、、、



今の今ーーー思い出したよーーー



錦ーーー



俺も知ってて知らないフリをしていた、、、



お前はーーーそんな俺を、いつも陰から見ていた事にーーー



お前は、どんな気持ちで、、、居たんだろう?



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