■約束■
目の前には、きれいに星々が輝いている。
そのなかで、私は泣きながら、
「・・・ヒロ、なんで、引っ越しちゃうの?」
ヒロとずっと一緒にいたいって思いながら、一生懸命に言った。
「バーカ!なんで、それくらいで、泣いているんだよ!?」
ヒロは、あわてたように、言い返した。
全然わかっていない・・・。
「だって、さみしいもんっ!ヒロと、ず~~っと一緒にいたいからだよっ!ヒロは、レミがいなくて、さみしくないの?」
「俺も、さみしい・・・」
「じゃあ、引っ越さないで!レミとず~~っと一緒にいて!そしたら、さみしくないでしょ?」

自分でも、ワガママを言っているってわかっている。
でも、それでも、ヒロがどこか遠くに行っちゃうことが、嫌だった。
だって、私は1人だから・・・。
だから、私にとってヒロは、大切な大切な人。
だから、お願い。
ずっと、レミとず~~っと一緒にいるって言って。

なにかを、難しい顔をして、ヒロは考えている。
「あっ、わかった!!」
「?」
「俺、高校生になったら、レミを向かいに行く!」
その言葉は、私が予想も、願ってもいなかった言葉。
けれど、うれしかった。
「本当に?」
ヒロを信じようって思ったの。
「本当に!16歳になったら、向かいに行く!だから、しばらくの我慢!いい?」
「うん!レミ、待ってるね。」
「絶対に、向かいに行く。約束なっ!」

私達は、指きりをした。
そして、
「あっ!流れ星!」
ヒロは、夜空にゆびを指して、言った。
「ヒロと、高校生になったら、ず~~っと一緒にいれますように★」
私は、心の底から、願った。

このとき、私達は10歳。
6年後の、未来の自分なんて、想像もつかないけれど、2人でしあわせに笑いあいながら、歩いている光景が見えた気がする、10歳の私。