「俺はただ、この1年坊主に注意を…!」

「それがや。お前の態度じゃ勘違いされるに決まっとるやろ。」

「なんやとー!?」



言い合いを始めた俺たちを呆れたような目で見て、その1年は溜め息を吐いた。

…確かに、なんか偉そうかもしらん。



「あの、用ないなら、行ってもいっすか?」



そう言ったソイツの耳にはピアスがいくつか光っている。

そして、コイツ、訛ってない。



「…お前、あんまり目立ちすぎるのは止めとき。」

「…はぁ。」

「あんまり目立つと、センコウだけやのーて先輩にまで目ぇつけられるで。」



そう言った俺に対して、あからさまに不審の目を向ける1年。



「…って、コイツが言いたそうやったから、俺は代弁。」



と言って、ガンタの肩を叩いて見せた。

けれど、ソイツの目は揺らぐことなく、むしろ探るような目をする。



「…ご忠告、どうも。」

「…煌、行こ?」



そのとき、やっと隣にいた女が言葉を発した。


男の方に気を取られていて気付かなかったけれど、どうやら男は女を自分の背中に隠していたようで。

道理で顔が見えなかったわけだ。