「マジで！？」



課長を待つ間、近くのカフェで先輩に今日のことを話すと、先輩は超驚いていた。

先輩は大学の先輩で、会社の先輩でもある。



「本当びっくりしました…。」

「まさかそんな上手くいくなんてねえ！」

「…確証はなかったんですか？」

「あるわけないじゃん！ だーってあの生渕課長だよ！？」

「…はぁ。」



先輩は人事部に所属していて、昔っからの情報通っぷりを発揮していた。

今回も、先輩にGOサインを出されて、行動を起こした。



「まああの人はタイミングさえ合えば誰とでも付き合っちゃう人だからさ！」

「それって…。」

「来る者拒まず、去る者追わずってね。この言葉はあの人のためにあるようなもんよ。」

「…そうなんですか。」


少し…いや、結構引きましたよ。なんなの、それって…そんな…。

コーヒーの入ったマグカップの縁を撫でた。



「まっ、その代わり、自分から振ることは絶対ないから、大丈夫！」

「はぁ…。」

「大丈夫、他に彼女いたら付き合う前に振られてるだろーし！」

「…それって慰めですか？」

「え？ うん。」

「はぁ…。」



先が思いやられるなぁ…。