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「源…?」



車を運転する俺を、彼女が心配そうに見つめてきた。



「ん?」

「あの、どこ行くの?」



俺はこう見えて、サプライズというものが好きらしい。



「さぁ。」



意地悪く笑うと、彼女は頬を膨らませてシートに体を預けた。

そんな彼女さえも、可愛くて仕方がない。


やっと手に入れた彼女は毎日毎日、俺を楽しませてくれている。



「最初はただの外見だけの女だと思ったんだが。」

「何? 急に…。」



急に言いだした俺を怪訝そうに見つめながらも、俺の話に耳を傾ける。



「いつから、こんなに夢中になってたんだろうな…。」



数年前に想いを馳せながら呟くと、隣で彼女が笑った。



「本当…、私も、こんな風になるだなんて思いもしなかった…。」



なんて、彼女も俺同様に過去に思いを馳せているようだった。

彼女と出会ったのは、もう何年も前になる。