クレオ

「あっ、もうこんな時間。じゃあ、あたしもう帰るね。ちなみに翔盲導犬の事前向きに考えておいて」
  と言って雫は椅子から立ち上がり慌しく病室を後にした。




  後に残された翔は突然の両親の死と自分の目が見えなくなってしまった現実に、ただ唖然とするばかりだった。




  2ヶ月後――。




  雫がラブラドール・レトリーバーの盲導犬クレオを連れて来た。