「ねえ陽毬。あたし耳にピアスの穴を空けようと思っているんだけれど、陽毬も一緒に空けない？ダメかな？」
　　とそう親友である芽衣に言われた陽毬は、その誘いにあらがえず耳にピアスの穴を空けた。




　　そしてその日の夜、陽毬の耳にキラキラと輝くピアスが光っているのをめざとく目にした岳大は
「確か耳にピアスの穴を空けるのは校則で禁じられていたハズだよな？」
　　と岳大は陽毬をきつく叱った。





　　そんな岳大の言葉に
「今時ピアスの穴なんてクラスの女子の殆んどの生徒が空けているよ！だからこんな事たいした問題じゃないわ！」
　　と陽毬は即座に言い返した。





「うるさい！そんな言い訳はどうでも良い！要するに僕は校則を破る事自体が問題だと言っているんだ」
　　と言うやいなや陽毬は岳大から頬を思いっきり平手打ちされた。そしてその衝撃で陽毬の口元からは血が滲（にじ）み、頬がたちまち赤く膨（はれ）れた。