「真夏…と。」
うちはさっきの会話を修正した。
すると、……真夏は、満足気に笑って、顔を離した。
「それでよろしい。……んで、凛ちゃんは行きたいとこある?」
「ちょっと待って。凛ちゃん呼びが直ってない。」
「え?だってさ……やめるとは言ってないじゃん?」
真夏はニヤリと笑った。
「うっわー…」
「まあまあ。昼飯おごってあげるから。」
「そりゃどうも。」
「……凛ちゃん?」
「あきらめた。そして、もらえるもんはもらっとく。」
「…凛ちゃんらしいね。」
え──…?
「んじゃ、おすすめのとこあるから。ちょっと歩こっか?」
「…うん。」
うちは真夏と並んで、歩き出した。
視線が妙に集まっているのは気のせいじゃないだろう。


