未だに手を繋ぎっぱなしのことに、真夏は気づいているだろうか。 これが嫌じゃない…から、気づいてほしくないとか。 気づいてるけど、わたしと同じ気持ちで、言わないんじゃないかとか。 自分に都合がいいように考えてしまうのは──… 「凛ちゃん、凛ちゃん!りんご飴あるよ!」 その無邪気な笑顔にやられた、 『恋』なのだろう。 「…───うん。」 思わずつられて笑ったら、真夏が顔を赤くしたことは…… この感情に動揺して、気づかなかった。 君に恋した夏。 それは、素晴らしいものになるだろう。