まるで、自分のスピードではないかのように、速かった。 油断したら、つまずきそうになるくらい。 「わっ、ちょっ…!真夏、速い!」 うちがそう言っても、 「ん?大丈夫!」 と爽やかな笑顔を拝めるだけだった。 「ほら、もうすぐ────」 真夏がそう言うから顔を前に向けてみれば、神社が見えてきていた。 ただし、人で溢れている。 「うっわ…──」 うちが顔をしかめたことなど知らずに、真夏はそのまま人混みに突っ込んだ。 その瞬間───