君に恋した夏。【短】





うちがゆったりと走っていると、先で真夏が止まってしまった。



うちが追い付くと、笑って言う。




「凛ちゃん、走るのかったるそう。」



わぉ、よくわかりましたね。



「しょうがない。」



「んー…でもさ、一発目は見たいじゃん?───ああ、そうだ。」




真昼は何か思い付いたようで、うちが顔を上げたと同時に───






うちの手は、真夏の手にすっぽりと収まっていた。




んー……いまいち、状況が──────




って。




「はぁ!?何やってんの?」



「ん?だから、こうして…───」



真夏はそう言うと、急に走り出した。



引っ張られて、うちも走り出す。