君に恋した夏。【短】





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仕事が終わり、いつもは職員用玄関から出ているのに、今日はフロアに行った。



「真夏。」



うちが呼ぶと、真夏は振り返って笑った。




なぜこいつがいるかと言うと、他ならないユウ姉が許したからだ。



しかも、男子定員を横に据えて。




「んじゃ、行こっか。」



「ん……」



「お疲れ様ー!」



「あ、はーい…」



うちは適当に返事を返しておいた。




「プッ、凛ちゃん適当すぎ。」



そしたら、真夏に笑われた。



「いいじゃん、別に。」



「はいはい。──てか、髪下ろしてんだね。」




店を出て歩きながら、真夏はそう言った。




さっき店内のシャワーを借りたのだ。



「どうせなら下ろしたまんまでいいや、って思って。」