しかし、二年後。
我が家の主役は別の人物になった。

弟の誕生だ。

それはもちろん、待ちに待ったご長男の誕生とあれば私なんかは二の次だ。

これがまたよくできる弟だった。

「大翔」と名付けられたこいつは、その名の通り大きく翔いていた。
親の言うことにはほとんど文句をいわない。
勉強をやらせれば私なんか目じゃない。
またスポーツも得意で。
姉の言うことじゃないが、周りの反応からみると顔もいいらしい。
なおかつ、これまた姉の言うことではないが性格もいいときた。
まさに完璧。