もらった幸せ



「やっばい、遅刻!」
 



今日は、中学3年の新学期。



クラス替えがあって、今日から新しいクラスなのに
早々遅刻なんてイメージ台無し……。




とりあえず、制服だけ着て
食パン咥えて家を出る。

 


一生懸命走ったけど着いたのは
HRが始まる1分前。





もう遅刻確定。




廊下に貼ってあるクラス表の前には、
誰もいなくて…。



今更走ったって遅いし
のんびりクラス表でも見てから行こう。




クラス表を眺めていると、
学年で一番厳しい生徒指導の先生が近づいてくる。



「こらー!中谷!遅刻だぞ!」


「すいませーん……」




よりによって、なんでこの先生なの…。



「………プッ」



え?今誰か笑ったよね?
しかも、あたしに向かって笑ったよね?




「怒られてやんの。だっせ。」



そう言われたのは、顔も見たことない
同級生の男の子。




目がぱっちり二重で、鼻も高くてイケメンだけど
意地悪そうな顔してる。





「なによあんた!怒られてやんのって…
あんたも遅刻じゃない!!」



「朝からうるせーな……」



そう言って、クラス表を眺めている。




「あんた、名前なんてーの?」



「五月、中谷五月!」



「ふーん……。」



なにか企んでいるような顔をして
去っていった。




「なによあいつ。感じ悪う。」





___これが、わたしとあいつの
出会いだった。



この時はまだ、あんな辛いことが起きるなんて
想像してなかった。



あんなに好きになるなんて
思ってもみなかった。