おじさんは笑顔のまま言った。

「飛び入りでもいいんだ。来てくれないか?」

「あ、でも私」

「ただし、全寮制だが」

遮るようにそう言われた。

私の頭はフル回転した。


親にはどう言おう
実際行きたいかも
かっこいい人いるかな
寮っていいな


「わ、私は...ごめんなさい!!!!」

走り出した。

おじさんに背を向けて、走った。

一瞬、おじさんが悲しい顔をしたのが見えたけど

気にしないで、走った。


「はぁっ、はぁ」

家のドアを思い切り開けて、中に駆け込んだ

「ただいま!」

「おかえり、ちょっと来て?」

リビングから聞こえる母の声の元へ駆け寄った。