「ユニ様…。」 大物の登場に周りがざわめき立つ。 どんな顔で会えばいいのか、分からない。 「先約かな?」 そういってユニ様は私、ではなく固まったままの男を見て笑う。 「いえ。私はこれで…。」 男は私の手を振り払うように遠ざけ、一礼して去ってしまった。 その姿を見送ったユニ様は私の前に跪く。 「私と踊って頂けますか?」 周りから悲鳴が聞こえる。 「…はい。」 もともとこの野次の中で断ることなどできないのだ。 手を添えた私に、燕尾服姿のユニ様は満足気に笑った。