女神の纏足




「…はあ。」


「あの、」


目の前に緊張した面持ちが現れる。



「私…ですか?」



後ろを振り向くも壁。


ということは目の前のこの男性は私に声をかけた、はず。



「一緒に踊って頂けますか?」


先ほどのユルのように跪く男性。


ふと視線を上げると、周りがこの光景を固唾を飲んで見守っていることに気が付く。



分からないけど…


このチャンスを逃せばまた壁の花!!



差し出された手に手を乗せる。



すると男性がぱっと花が咲いたように顔をあげ…、


「っ…!!」


その顔をこわばらせた。




…こわばらせる?


え?あれ?おかしい。



そう思った時、知った香りが風にのって流れてくる。




「私も一曲お願いしたいんだけど、」



甘い香りとともに現れたのは先ほどと変わらない笑みを浮かべた彼。