「もう一曲って言いたいところだけど、さすがに続けて踊るのはなぁ。」
曲が終わりユルがため息を吐く。
「いいよ。綺麗なお嬢様達と踊って来たいんでしょ?みんな待ちわびてるよ。」
周りには今か今かとユルを狙う女豹たちの姿。
もう一曲なんて踊ったら殺されそう…。
「まぁ変な奴はいないしな。あーあとで怒られたらどうしよう。」
「怒られる?」
「今日は離れるなって言われてたんだよ、兄さんに。」
ユル様に…
「そう…」
「まぁ、いい出会いの場だしな。誰かとダンスしてみれば?そんな勇気あるやつがいればの話だけど。」
そう言い残し、ふらふらと消えていったユル。
そして私はというと…
「だ、誰にも誘われない…」
壁の花となっていた。
さすがにこれはマズイ。
私はそんなに魅力がないの?
壁の花なんて、売れ残りの花だと思いなさいって先生も言ってた。
周りを見渡しても壁で待つ淑女なんて数知れない。
そうこうしているうちに一曲終わってしまったではないか。

