「本当に、残念ね。」



パァン!!



オオカミが赤ずきんちゃんに背を向けて歩き出した瞬間、赤頭巾の下から顔を出した銃口がオオカミの首を狙い、火を吹いた。



息も絶え絶えなオオカミにそっと近づくと、まだ意識があるのか弱々しく、忌々しく話しかけてきたオオカミ。



「なぜ、わかっ、た……」



「だってあなた、目が捕食者の目だったもの。どうせこれからおばあちゃんの家に先回りしようとしたんだろうけど、そんなの私が許すはずないじゃない。

花を摘むと言ってくれれば、もう少し長く生きられたのに、残念ね。」




「ははっ お前、の、肉は、食っても、不味、そうだ…」



「失礼ね。若い女の子にそんなこと言わないで頂戴。まぁ、お腹くらいは壊すかもしれないけどね。

もう、寝なさい。」




その言葉に、フッと体の力を抜いたオオカミは、静かに息を引き取った。


周りは美しい花畑。



「ずいぶんと贅沢な死に場所になっちゃったわね。私に感謝しなさいよ。」



それだけ言い残して、猟銃を担ぎ直し、おばあちゃんの家へと向かったのでした。




めでたしめでたし。

(赤ずきんちゃんがただのイケメン)