「ねぇ」


予想もしていなかった状況に、何が起こっているのか全く理解できずにいる私に、彼はさらに体を寄せ


「今日あんたの家に泊めてよ」


と、耳元で囁いてきた。


驚いて、声が出なかった。


いつもの彼とは別人のようで怖かった。


だけど


私の手をつかむ彼の手が、少し震えていて……



気づけば私は、縦に首を振っていた。



「部屋、何階?」


「3…か…い」