意地悪なクールボーイ







「離れて」  


そう呟くように言い、手を広げて抱きつかんばかりの私を容赦なく静止させた。

あなた、私の彼氏ですよね?


私が恨めしげな目で蒼空を見ると、まるで珍種でも見るような顔つきでため息をつかれた。


「……はぁ、本当にムードとか全然だよね、うたって」


そこは可愛く慌てるところでしょ、と言ってのける蒼空。

悪かったね、だってかっこよかったんだもん仕方ないじゃん。

私は好きな人や物に抱きつく癖がある。

ぬいぐるみや友達はもちろん、彼氏である蒼空なんて一番好きなんだから当たり前のように抱きついてしまう。


……正確には抱きつこうとしてしまう、なのだが。


「その抱きつく癖、直しなよ」


私の彼氏は手厳しい。
隙を見ては抱きつこうと試みたけど、成功した試しがない。