『うるせーよ』
「雪兎ってばウサギ会長との仲を噂されたい男がこの学園にどんだけいると思ってんの？」
そして、笠松くんは私のことを”ウサギ会長”と呼んでいる。
『…、』
「また、黙《ﾀﾞﾝﾏ》りだよ。高等部だけじゃねーよ。大学の方でも…もっと言えば中等部でも」
『…だから何だ』
この学園は幼稚舎から大学院まである。有名私立で知らない人がいないくらい名門で名の通っている学園。
そんな学園の高等部の生徒会長をしているのだからそれなりに顔は覚えてもらっているとは思っていたけど、実は私が思っているよりもたくさんの人に知ってもらえていたらしい。
「今やウサギ会長の知名度って半端ないんだってっ！」
『言われなくても知ってる』
何やら、笠松くんは高等部の生徒会の知名度が上がっていることに興奮しているらしい。
