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――…生徒会室は朝のこの時間は無人なことが多い。今日も例にもれる事なく無人で静かな空間が広がっている。
落ち着くからこの場所は好き。
ユキトに連れられて生徒会室に入ったはいいけど、先に部屋に入ったユキトは中に入るとクルッと私に向き直り視線をそらさない。
『ルイ』
「、」
ユキトの様子がおかしい。
『ルイ…』
ユキトの手が私の髪に差し込まれ、ゆっくりと後頭部へと回る。
その瞬間、グイっとユキトの方へと引き込まれ腕の中に閉じ込められた。
「ユキト、…どうしたの?」
『、』
ユキトは黙ったまま、私を抱きしめ続ける。
私の肩に頭を乗せるようにしてそのまま動かなくなった。
