ユキトは興味がないとでも言うように、ため息を一つ零す。
”もう、いいだろ”と吐き捨てるように言ったユキトは、
笠松君を一瞥し私に向き直る。
『会長』
「あ、うん?」
「昨日話してた資料について聞きたいことがあるんで、生徒会室に来てもらってもいいですか?」
「…ん、分かった」
何だろう?資料の話なんてしたっけ?
笠松くんから逃げるように私を連れて生徒会室に向かうユキトに笠松くんは何やら面白がる様な視線を送っていた。
ユキトは無表情だけど、やっぱり機嫌がいいとは言えないみたい。
学校にいるときはユキトは大抵、機嫌が悪い。
だから学校が嫌いなのかと聞いたことがあるけど、それはどうやら違うらしい。
学校に関しては特にどうも思っていないらしく、
興味がないとも言っていた気がする。
じゃー、どうしてなのかと聞いても答えてはくれなさそうだったから追求はしていない。
