「泣かせないって決めたのに…」



私の頬にそっとキスをして、




壊れものに触るかのように優しく腕を伸ばす




「こんなこと言える立場じゃないけど、やっぱり…奈音がいないとダメなんだよ…」




あいつがいないとダメ。一人じゃ生きていけない。

そんなのは恋に恋した馬鹿が言う妄言だとおもっていたけれど



本当に出会ってしまったら。



本当に愛してしまったら。



いなくていいなんてそんなことはもう言えなくて



一人で大丈夫なんて胸をはれなくて。




涙の向こうの愛しい微笑みをもう一度見れたことが嬉しかった…