「亜弥南…」


返事はない。


「亜弥南…俺は、なにもしないよ。
あいつらみたいなこと、そんなことをしたくて呼んだんじゃない。
こっちを見てよ。
姫華…」



Nice俺!
頑張って姫華って呼びました!




亜弥南は、恐る恐る顔を上げた。
そして、俺の目を見たあと、
いつもの笑顔で、ニコッと笑った。




悔しい。可愛すぎんだろ。
まじ、こいつ、天使かよ…





「亜弥南…
ちゃんと聞けよ?」





亜弥南は、こくりと頷いた。




「好きです…俺と、付き合ってください。
俺に…亜弥南の声を聞かせてください。
その笑顔を…俺だけのものにしたい。
お願いします。」




くぅぅ~ハズい。
穴があったら入りたい。ってのは
まさしく今使うべきものだ!





なのに、亜弥南は…
顔を赤く染め、NOと
首をふる。
こんなときでも、可愛いと思ってしまう。
俺、重症だな。





「亜弥南…俺は、絶対に裏切らない。
もし、あいつらのことを気にして、
付き合ってくれないなら、
俺が絶対に守るから。
信じて…」




……………っ?!
え…どうしよう…
女の涙の止め方とか、俺わかんねぇよ!!
くそっ!…
どうする?!俺!!



そう。亜弥南は、
きっと今まで、ずっと一人で堪えてきたんだと思う。
大粒の涙をボロボロとこぼして…
まるで、チワワでも見ている気分になる。
小動物のようで、それさえ愛しくてたまらない。




わからない。わからないけど…
今だけ許してほしい。
亜弥南の涙を止めたいだけだから。




俺は、優しく、優しく抱き締めた。
亜弥南は、俺が思ってた以上に細くて、ちゃんとくってるかって、不安になった。




亜弥南は、一度俺を見たが…
気を許してくれたように、
大人しく俺の腕のなかでうずくまった。




亜弥南が落ち着いてきて、
俺はまた聞いた。



「俺と、付き合ってくれる?」




亜弥南はやっと、首を縦に振った。




嬉しい。ただその一言だった。