ん?ん?ん?
あいつ。口パクでなんか言ってる。



『が…ん…ば…れ…』




ふ…やべ。
にやけがとまんねぇ。
俺、好きなんだ。
あいつのこと…
よっしゃ、一発で終わらしてやる!





俺はサーブをして、
戻ってきたクリアを
今までで一番強くスマッシュで返してやった。




他の女の、甲高い声よりも、
何よりも、
あいつが笑った顔が
可愛くて、愛しくてたまらなかった。



好きって気づくだけて、
こんなに変わるものなのか?



元々可愛いのに、 ずっと可愛く見える。
ヤバい…
今すぐあいつのとこに行きてぇ…
付き合ってる訳じゃない。
もしかしたら、あいつには男がいるかもしんねぇ。
それでも…もうどうだっていい。
せっかく、勝ったんだから。



亜弥南…亜弥南は俺のこと、どう思ってる?