だって、君がいる。
君が、俺のもとへ走ってきてくれる。




告白の不安でいっぱいだっから、
前は白黒みたいに殺風景に見てた道。
君がいる。それだけで
こんなにも色がつく。





階段で鉢合わせになって、
俺は亜弥南を抱き上げた。
これで、最後だ。
バイバイ、「亜弥南」
よろしく、「姫華」




「竜弥…よかった。間に合って。
よかったね。勝てて…」



とても、小さいけど、
確かに聞こえた。
やっと…やっと、聞けた。
愛しい君の声が。
ずっと求めてた君の声が…



小さくて、か細くて、少し人より高め。
今にも、壊れてしまいそうな…
とても優しい声。



「姫華…ありがとう。」



そういって、俺は、
いつもより強く抱き締めた。
いつもより深くキスをした。
何度も何度も繰り返して…




姫華は、泣いていた。
何に対して泣いているのか、
わからないけど、
気にしない。
だって、可愛いから。