つまらない。毎日が。なにが、っていうのははっきりしないけど、苦しい。辛い。逃れたい。もう、生きていたくないや。

 学校に行く気にもならずふらふらと彷徨い歩く。そのうちに小さな公園に辿り着いた。ベンチに座って空を見上げる。霞掛かった春の空だ。風に舞った桜の花びらがはらはらと降り注ぐ。桜の大木があった。

 胸元に下がっているネクタイと桜を交互に見る。近くにフェンスもある。あの枝にコレ結べば、逝けるな。

 そこから先は思い出したくない。結局逝けなかったし。