わかってる。終わらない悲しみがないように、終わらない幸せもない。そして幸せは、悲しみよりずっと短い。
 だからずっと怖くて、不安で。不幸な時は、この悲しみがずっと続くんじゃないかと疑って、幸せな時は、明日には不幸がやってくるんじゃないかと怯えて。
 いずれ奪われるならいっそと、自分の手で何度も幸せを握り潰した。