サラッとなびく茶色に近い黒の長ーい綺麗な髮、くりっとした大きな瞳、長ーい睫毛、キスしたくなるようなピンク色の唇。
100人に「この子可愛い?」と聞けば、100人全員が可愛い!!と答える、この子の名前は、葉山紗楽。
この物語の主人公。
見た目は可愛いけど、中身は普通、のこの子の人生を変える事になった高校受験。

「えぇぇーっ!?麗花学園を受験するーっ!?」
あたしはそう叫んで思わず、持っていたお茶碗を床に落とした。
「そーよっ!」
お母さんはキッチンから、しゃもじを振りながら嬉しそうに言った。
れ、麗花学園!?あの…お金持ちが通う?
「う、うちは金銭的にムリでしょ…」
言いながら落としたお茶碗を拾ってテーブルに置いた。
あたしの家は、一応普通の家のといった家だけど、8人も兄弟がいるから絶対無理。
「そ・れ・が・ねっ」
お母さんはそう言うと、にやっと笑いながらあたしの目の前に座った。
「…?」
「おじいちゃん!当たっちゃったのよーっ、宝くじ!それにお父さんはギャンブルで大儲けするしっ。お姉ちゃんは、お金持ちと結婚したしーっ、ブスなのにっ!お兄ちゃん達とお母さんは、会社で給料上がったし、金銭的には、今裕福なのよっ!」
お母さんは、一人浮かれたようにキャピキャピ騒いでいた。
ほんと子供みたいなんだからっ。
こうして、あたし、葉山紗楽は、麗花学園を受験。
そうしてなんと、合格。落ちると思ってたのに…