KICK OFF!

「おっ!来てたんだな!」

向こうから声がして獅子崎先生が駆け寄って来た。

「あっ…先生」

私は軽く会釈をした。

「試合、どうだった?」

「とっても…とってもすごかったです!」

たくさん伝えようと思うけど声が詰まる。

なんて言うんだろう、うまく言葉で表せない…。

「分かった分かった」

獅子崎先生は嬉しそうに笑った。

「目がキラキラしてるぞ」

そう言って私の頭をなでる。

「犬塚も、どうだった?」

「とても素晴らしかったです。さすがですね」

「お前は入るんだろ?」

「もちろんです」

犬塚くんはにっこりと笑った。

獅子崎先生が私に向き直る。

「卯野原は…入らないか?」

「は、入っていいんですか!?」

「当たり前だろ!あーでも…マネージャーってことになるけど」

「構いません!」

あの人たちの姿が、見れるなら。

獅子崎先生は私たち二人を抱きしめる。

「来いっ!」