KICK OFF!

はぁ…。

ため息をついて、私は部活紹介の紙を握りしめた。



卯野原(うのはら)ユマ、15歳。
一昨日、私立干支部(えとべ)学園に入学しました!!

高校生活を精一杯満喫しよう!
と意気込んでいたものの。
部活がちっとも決まらない。

好きなスポーツといえば…サッカー。
でも、この学園女子サッカー部ないし。
かといってマネージャーをするのもなんだかなぁ…。

うーん。

俯いて歩いていると。

ドンッ!

誰かにぶつかった。

「わっ…!」

ぶつかった拍子に部活紹介の紙を落としてしまう。

「あー、ごめんごめん。大丈夫か?」

その人は紙を私に差し出した。

「あっ、すみません。わざわざありがとうございます」

ぺこりと頭を下げてその人を見る。

やたらと背が高い。
精悍な整った顔。
白に青のラインのジャージ。

「俺は二年担任の獅子崎(ししざき)コウヤだ」

キリリとつり上がった目を細めて二カッと笑う。

先生なんだ…。

「私は卯野原ユマです」

「お前、一年か?」

「はい」

「んで、部活に悩み中?」

「はい」

「好きなスポーツは?」

「え、と…サッカーですけど」

そのとたん獅子崎先生の目が光った。

そして私の肩をガシッとつかむ。