さて、私は…と。

『黒い双曲線』を読み終わったから、帰しに行くの。




「……あれ、篠原さん」

「こんにちわ」


いつも図書室にいる、内海君に挨拶をした。

図書室は相変わらず、人がいない。



「これ、読み終わったの。面白かったわ、ありがとう」

「ううん。嬉しいよ、俺も好きだったから。あ、これね、続編出てるんだ。読む?」

「続編?」

「うん、『白い双曲線』って。これ」