早いもので、もう放課後。

私は楽しみで仕方がない小説を取りに図書室へ向かう。




開けた図書室は私の大好きな雰囲気で包まれていた。


「あ、早かったね」

「こんにちは、内海君」

「うん、あ、これね」



小説を受けとり、ニッコリ笑う。


「ありがとう!」

「う、ううん」



私から視線を外し、俯く内海君。


「…じゃあ、読んだら返しにくるわね。それじゃ」

「ま、またね」