今、玄関に向かうとまた空希と鉢合わせになってしまうので少し保健室で休む事にした。


「「・・・」」


無言が私達を包む。

私の胸はさっきからジクジクと痛み、今にも何かが溢れ出しそうだ。


「涙ちゃん、大丈夫?」

「・・・うん。ゴメンね、迷惑ばっかりかけちゃって」

「そんなことないよ。俺もうまいことフォローしてやれなくてゴメンね」


二人ともベッドで背中を向けて座る。

今はお互いの顔が見れなくて少しほっとしている自分がいた。


「うぅん、時耶くんがいなかったら私、どうなってたか・・・」

「ありがとう」
「・・・あと、その・・・病気、最近どうなの?」

「・・・どうって・・・」

「あ、ごめ・・・言いたくなかったらいいから」
「まあ俺だって涙ちゃんも大事な友達だし、心配してるんだよ?」


そんな優しい時耶くんの言葉に泣きそうになる。


「うぅん、ありがとう。いやなんかじゃないよ」
「病気ね、薬とか飲んで進行遅くしてるんだけど、もうすぐ限界って先生に言われちゃった」


私はここでやっと時耶くんの方を振り向いた。

すると時耶くんもこっちを見ていた。