それから病気はだんだん酷くなる一方だった。

突然の吐き気。

さすがに授業中は先生に言って保健室に連れて行ってもらったりしたが、休憩の時などは時耶君が付きっきりで私の面倒を見てくれた。

空希の目に入らないように、極力教室や教室前は避けていた。

時耶くんもそれを分かってくれていた。

それでもこんな狭い学校じゃいやでも会ってしまう。

こればっかりは如何しようもないのだ。


「大丈夫?涙ちゃん」

「う、ん・・・っ」


私はハンカチを口に押し当てて吐き気を必死に凝らす。


「立てる?やっぱり保健室に行こう」

「・・・っ」


だが私の足は覚束無(おぼつか)く、フラフラと今にも転んでしまいそうだ。


「でももう、学校も終わったし・・・大丈夫・・・」
「このまま帰るよ・・・」

「でも無理したら駄目だよ、少しでも保健室で休んでいったほうがいい」


時耶くんは心配そうに私を見つめる。


「でも今日も病院あるし・・・」
「さっきよりも大分、楽になったよ」


そんな会話をしている時だった、