「あとね、これ預かっておいてほしいの」


私がそういって手渡したのは秋祭りに空希が買ってくれた指輪だ。

私はこの指輪をつけている限り空希ときっとまた会ってしまいたくなる。


「俺でいいの?」

「うん、時耶くんだから渡したんだよ」

「分かった、俺も協力する」
「空希には黙ってるよ」

「ありがとう」
「本当にごめんね」


時耶くんは『いいよ』と言って切なく笑ってくれた。