廊下をパタパタと小走りで玄関に向かう。

すると二つの人影が見えた。

いつもなら素通りするところだが、その影が誰なのか徐々に分かっていくうちに視点がそこから動かなくなる。


「・・・」


影の正体は、涙と時耶だ。

前を通るのでさすがに向こうも僕の存在に気付いた。

すると涙と一瞬、目が合った。

でもすぐにそらされてしまう。

小走りしてた足がだんだん速度を落としていく。


「「「・・・」」」


無言が続く。

僕は何も言わずに視線をそらそうとした。

すると・・・、


「・・・っ」