─翌日─


重たい体を起き上がらせ、学校に向かう準備をする。

学校に行けば涙や時耶に会ってしまうだろう。

昨日のあの光景が頭から離れない。

涙や時耶達に会ってしまったら僕はどうなるんだろう。


そんなことを考えているあいだにも時は無償に過ぎていく。

もうそろそろ出て行かないと遅刻になってしまう時間だ。

玄関を出ると空はどんよりと分厚い雲がかかっていた。

夏、独特の湿った空気が僕の気持ちを表しているようだった。


「・・・いってきます」

「いってらっしゃいソラ」


誰が返してくれたのかは声や呼び方で分かった。

でも僕は振り返らず玄関を出た。